基礎知識

マンジャロで便秘になる?原因と対処法・いつまで続くか

著者:Medvice編集部 / 監修:おうちでクリニック

マンジャロによる便秘の原因と、日常的にできる対処法を解説します。

マンジャロ使用中に便秘が起こる原因

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)はGIP/GLP-1受容体作動薬であり、血糖降下作用や体重減少効果が認められている薬剤です。一方で、消化器系の副作用として便秘が報告されることがあります。便秘が起こるメカニズムには主に以下の要因が関係しているとされています。

胃排出遅延(胃内容物の停滞)

マンジャロに含まれるGLP-1受容体作動薬としての作用により、胃から小腸への食物の移動速度が遅くなります。これを「胃排出遅延」と呼びます。食物が胃に長時間とどまることで満腹感が持続し、食事量の減少につながる一方、腸への食物供給が減ることで便の形成が遅れ、便秘を感じやすくなることがあります。

腸蠕動運動の低下

GLP-1受容体への作用は胃だけでなく、腸管全体の蠕動(ぜんどう)運動にも影響を与える可能性があります。腸の動きが緩やかになることで、便が大腸に長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬い便になりやすいと考えられています。

食事量・水分摂取量の減少

マンジャロの食欲抑制効果により食事量が減ると、食物繊維や水分の摂取量も自然と低下します。便のかさが減り、腸への刺激が弱まることも便秘の一因です。

便秘の発生頻度

臨床試験データによると、マンジャロ使用者における便秘の発生頻度は用量によって異なります。以下は主要な臨床試験(SURMOUNT-1)における報告です。

用量便秘の発生率プラセボ群
5mg約12%約4%
10mg約11%
15mg約11%

プラセボ群(約4%)と比較すると高い割合ではありますが、マンジャロ使用者の大半(約85〜90%)は便秘を経験しないとも読み取れます。多くの場合、投与開始から数週間〜数か月で症状が軽減する傾向がみられます。

日常的にできる便秘の対処法5つ

1. 十分な水分を摂取する

水分摂取は便秘対策の基本です。1日あたり1.5〜2リットルの水分を目安に、こまめに水やお茶を飲む習慣をつけましょう。食事量が減っている場合は、食事からの水分も減っているため、意識的に水分補給を行うことが大切です。朝起きてすぐにコップ1杯の水を飲むと腸が刺激されやすくなります。

2. 食物繊維を意識的に摂る

食物繊維は便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促す働きがあります。野菜、果物、海藻、きのこ類、全粒穀物などを積極的に取り入れましょう。特に水溶性食物繊維(オートミール、こんにゃく、海藻など)は便を柔らかくする作用があるとされています。食事量が少ない場合は、サイリウムハスクなどの食物繊維サプリメントの活用も選択肢のひとつです。

3. 適度な運動を取り入れる

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、腸の動きを活発にする効果が期待できます。1日20〜30分程度の運動を習慣化することで、便秘の改善だけでなく、マンジャロによる体重管理にも相乗効果が見込めます。デスクワークが多い方は、1時間に1回は立ち上がって体を動かすことを意識してみてください。

4. 食事のタイミングと量を工夫する

食事量が極端に少ないと腸への刺激が不足します。1回の食事量を減らしても、1日3食のリズムをできるだけ維持しましょう。特に朝食を摂ることで「胃結腸反射」が起こり、腸の動きが促進されます。少量でもよいので、朝食の習慣を維持することをおすすめします。

5. 排便姿勢を見直す

排便時の姿勢も便通に影響します。洋式トイレの場合、足元に台(高さ15〜20cm程度)を置いて前かがみになると、直腸と肛門の角度がまっすぐになり、排便しやすくなるとされています。いわゆる「スクワットポジション」に近い姿勢を意識してみてください。

下剤は使用してもよい?

上記の生活習慣の改善を試みても便秘が続く場合は、下剤の使用を検討することもあります。ただし、自己判断で下剤を常用することは推奨されません。

マンジャロ使用中に比較的安全に使用できるとされる下剤には、酸化マグネシウム(マグミット)などの浸透圧性下剤があります。刺激性下剤(センノシド、ビサコジルなど)は腸を直接刺激するため、短期的な使用にとどめることが望ましいとされています。

下剤の種類や用量については、必ず処方医または薬剤師に相談してから使用してください。マンジャロとの相互作用や、個人の体調に合った選択が重要です。

こんなときは早めに受診を

以下のような症状がある場合は、便秘の背景に他の原因がある可能性もあるため、早めに医療機関を受診してください。

  • 1週間以上排便がない
  • 強い腹痛や腹部膨満感が続く
  • 便に血が混じっている
  • 嘔吐を伴う
  • 急に便秘がひどくなった(投与量を変えていないのに悪化した場合)

これらの症状は、腸閉塞などの重篤な状態のサインである可能性もあるため、放置せず医師に相談することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. マンジャロによる便秘はいつまで続きますか?

個人差がありますが、多くの場合は投与開始から4〜8週間程度で体が慣れ、症状が軽減する傾向にあります。用量を増やした際に一時的に便秘が再発することもありますが、体が適応するにつれて改善するケースが多いとされています。

Q. ヨーグルトや乳酸菌は便秘対策に効果がありますか?

ヨーグルトや乳酸菌製品(整腸剤を含む)は腸内環境を整えるうえで有用とされています。直接的な便秘解消効果については個人差がありますが、日常的に取り入れることで腸内フローラのバランス改善が期待できます。

Q. 便秘がつらいのでマンジャロの用量を下げてもらうことはできますか?

便秘の程度が日常生活に支障をきたす場合、主治医と相談のうえ用量の調整を検討することは可能です。ただし、自己判断で用量を変更することは避けてください。

Q. 便秘薬とマンジャロを同時に飲んでも大丈夫ですか?

多くの便秘薬はマンジャロとの併用が可能とされていますが、マンジャロは胃排出を遅延させるため、経口薬の吸収に影響を与える可能性があります。併用薬については必ず処方医または薬剤師に確認してください。

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参考文献・情報源

  1. マンジャロ皮下注 添付文書 日本イーライリリー株式会社
  2. PMDA 公開審査報告書(マンジャロ) 医薬品医療機器総合機構
  3. 医療広告ガイドライン 厚生労働省

監修医師

おうちでクリニック 監修医師

医師 おうちでクリニック

  • 医師(日本国厚生労働省)

提携医療機関「おうちでクリニック」の医師がマンジャロおよびGLP-1関連記事を監修しています。詳細プロフィールは順次公開予定です。

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※マンジャロ皮下注は2型糖尿病治療薬として国内承認された医薬品です。
肥満治療目的での使用は適応外(自由診療)に該当します。

適応外使用に関する重要なお知らせ

  1. マンジャロの承認状況:マンジャロ皮下注(一般名:チルゼパチド/製造販売:日本イーライリリー株式会社)は、「2型糖尿病」を効能・効果として日本国内で承認された医療用医薬品です。
  2. 適応外使用について:肥満症やダイエット目的での使用は、承認された効能効果の範囲外(適応外使用)であり、 保険適用外の自由診療(自費治療)となります。費用は提携クリニックの公式情報をご確認ください。
  3. 主な副作用:消化器症状(悪心・嘔吐・下痢・便秘・食欲減退・腹痛)、低血糖、 急性膵炎、胆嚢炎・胆石症、急性腎障害、過敏症、注射部位反応など。詳細は処方医にご確認ください。
  4. 体験談・症例の取扱い:厚生労働省「医療広告ガイドライン」に基づき、 当サイトでは個人の治療効果に関する体験談を原則として掲載しません。

本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、医師による診断・治療の代替を目的とするものではありません。 治療を検討される方は必ず医療機関で診察を受けてください。

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