基礎知識

マンジャロをやめたらリバウンドする?体重を維持するための対策

著者:Medvice編集部 / 監修:おうちでクリニック

マンジャロ投与を終了した後のリバウンドリスクと、体重を維持するための実践的な対策を解説します。

マンジャロ中止後のリバウンドデータ

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)の投与を中止した後に体重がどの程度戻るかについては、大規模な臨床試験のデータが報告されています。

SURMOUNT-1延長試験の結果

SURMOUNT-1試験(肥満・過体重の方を対象とした第III相試験)の延長解析では、36週間の治療で平均約20%の体重減少が得られた後、マンジャロを中止して1年間経過を追跡したところ、減少した体重の約2/3が戻ったと報告されています。つまり、20kg減量した場合、中止後1年で約13〜14kgが戻る計算になります。

ただし、この結果はあくまで平均値であり、個人差があることに留意が必要です。生活習慣の改善を並行して行っていた方は、リバウンドの幅が比較的小さかったとする報告もあります。

GLP-1受容体作動薬全般に共通する傾向

リバウンドはマンジャロに限った現象ではなく、セマグルチド(ウゴービ/オゼンピック)などの他のGLP-1受容体作動薬でも同様の傾向が報告されています。STEP-1延長試験でもセマグルチド中止後に体重の約2/3が回復したことが示されており、この薬効クラスに共通する課題といえます。

なぜリバウンドが起こるのか?そのメカニズム

食欲調節ホルモンの変化

マンジャロはGIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用し、食欲中枢に強力に働きかけます。投与中は食欲が自然に抑制され、少ない食事量で満足感を得られるようになります。しかし、投与を中止すると、これらの受容体への刺激がなくなり、食欲が投与前の状態に戻る傾向があります。

代謝適応(メタボリックアダプテーション)

体重が減少すると、体は基礎代謝を下げてエネルギー消費を節約しようとする「代謝適応」が起こります。体重が減った状態では、以前と同じ食事量でも相対的にカロリー過多になりやすく、体重が戻りやすい環境が生まれます。これは薬の有無にかかわらず、減量後に共通して見られる生理的な反応です。

脂肪細胞のセットポイント理論

体には体重を一定範囲に維持しようとする「セットポイント」があるとする理論があります。薬剤によって急速に体重が減少した場合、体は元の体重に戻ろうとする力が働くとされています。長期間にわたって減量後の体重を維持することで、セットポイントが徐々に新しい体重に適応する可能性が指摘されていますが、そのために必要な期間は個人差が大きいと考えられています。

体重を維持するための5つの戦略

1. 投与中に食習慣を根本から見直す

マンジャロの投与中は食欲が自然に抑制されるため、食習慣を改善する絶好の機会です。この期間に、バランスの取れた食事パターンを定着させることが重要です。具体的には、タンパク質を十分に摂取する(体重1kgあたり1.0〜1.2g/日)、加工食品を減らす、野菜を毎食取り入れるなど、投与終了後も続けられる食生活の基盤を作りましょう。

2. 筋力トレーニングで基礎代謝を維持する

減量中は脂肪だけでなく筋肉も減少する傾向があります。筋肉量の低下は基礎代謝の低下につながり、リバウンドしやすい体質になるリスクを高めます。週2〜3回の筋力トレーニング(自重トレーニングやウェイトトレーニング)を取り入れ、筋肉量の維持に努めることが、体重維持のために非常に重要とされています。

3. 体重のモニタリングを継続する

マンジャロ中止後も、定期的に体重を測定する習慣を続けることが推奨されます。毎日または週に1回体重を記録し、増加傾向が見られたら早めに食事や運動を見直すことで、大幅なリバウンドを防ぎやすくなります。体重管理アプリを活用するのも効果的です。

4. 段階的な行動計画を立てる

マンジャロの中止を突然行うのではなく、事前に中止後の生活をシミュレーションしておくことが大切です。「食欲が戻ったらどう対処するか」「間食したくなったときの代替行動は何か」など、具体的な対策をあらかじめ考えておくことで、リバウンドリスクを軽減できる可能性があります。

5. 必要に応じて低用量での維持療法を検討する

医師と相談のうえ、マンジャロを完全に中止するのではなく、低用量で継続する「維持療法」という選択肢もあります。肥満が健康上のリスクとなっている場合、長期的な薬物療法が適切と判断されるケースもあります。これは高血圧や糖尿病の薬を長期間服用するのと同様の考え方です。

段階的な減薬について

マンジャロを中止する場合、急に投与をやめるのではなく、段階的に用量を減らしていく方法が検討されることがあります。例えば、15mgで投与していた方が10mg→5mg→2.5mgと段階的に減量し、最終的に中止するという方法です。

段階的な減薬により、食欲の急激な回復を緩やかにし、体が薬のない状態に徐々に適応できるようにする狙いがあります。ただし、段階的な減薬がリバウンドを確実に防ぐという十分なエビデンスはまだ蓄積途上であり、今後の研究結果が待たれる状況です。

減薬のペースや方法については、必ず主治医と相談のうえ決定してください。自己判断で用量を調整することは避けましょう。

中止のタイミングをどう判断するか

マンジャロの投与をいつ中止するかは、治療目標の達成状況や患者さんの全体的な健康状態を考慮して、医師と相談しながら決定します。以下のようなポイントが判断材料となります。

  • 目標体重に到達し、生活習慣の改善が十分に定着している場合:食事・運動習慣が安定しており、薬の補助なしでも維持できる見通しが立っている場合に中止を検討することがあります。
  • BMIが目標範囲に到達した場合:BMI25未満(日本の肥満基準)を達成し、糖尿病や脂質異常症などの合併症も改善している場合が一つの目安となります。
  • 副作用が生活の質に大きく影響している場合:消化器症状などの副作用が強く、日常生活に支障がある場合は、投与の継続が適切でない場合もあります。
  • 経済的な負担:マンジャロは自費処方の場合、月額数万円の費用がかかります。長期的な費用対効果も中止判断の要素となりえます。

いずれの場合も、自己判断で中止するのではなく、必ず主治医と十分に話し合い、中止後のフォローアップ体制を整えたうえで決定することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. マンジャロをやめたら全員リバウンドしますか?

全員がリバウンドするわけではありません。臨床試験のデータは平均値であり、食事・運動習慣の改善を十分に行った方はリバウンド幅が小さかったとする報告もあります。ただし、何も対策をしなければリバウンドのリスクは高いと考えられています。

Q. リバウンドしたら再びマンジャロを処方してもらえますか?

医師の判断により、再処方を受けることは可能です。リバウンドにより健康上のリスクが再び高まった場合、再投与が適切と判断されることがあります。主治医に相談してください。

Q. マンジャロを一生続ける必要がありますか?

現時点では、一生続ける必要があるかどうかについて明確なコンセンサスはありません。肥満の程度や合併症の有無、生活習慣の改善状況によって、長期投与が望ましい場合もあれば、一定期間で中止できる場合もあります。個別の状況に応じて医師と相談することが大切です。

Q. マンジャロをやめた後、他の薬に切り替えることはできますか?

はい、セマグルチド(ウゴービ/リベルサス)などの他のGLP-1受容体作動薬への切り替えや、メトホルミンなどの薬剤を併用するケースもあります。切り替えの適否は個別の状況によりますので、主治医にご相談ください。

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リバウンドへの不安や減薬のタイミングなど、マンジャロの治療方針についてはオンライン診療で医師に相談できます。自宅から気軽にご相談ください。

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参考文献・情報源

  1. マンジャロ皮下注 添付文書 日本イーライリリー株式会社
  2. PMDA 公開審査報告書(マンジャロ) 医薬品医療機器総合機構
  3. 医療広告ガイドライン 厚生労働省

監修医師

おうちでクリニック 監修医師

医師 おうちでクリニック

  • 医師(日本国厚生労働省)

提携医療機関「おうちでクリニック」の医師がマンジャロおよびGLP-1関連記事を監修しています。詳細プロフィールは順次公開予定です。

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※マンジャロ皮下注は2型糖尿病治療薬として国内承認された医薬品です。
肥満治療目的での使用は適応外(自由診療)に該当します。

適応外使用に関する重要なお知らせ

  1. マンジャロの承認状況:マンジャロ皮下注(一般名:チルゼパチド/製造販売:日本イーライリリー株式会社)は、「2型糖尿病」を効能・効果として日本国内で承認された医療用医薬品です。
  2. 適応外使用について:肥満症やダイエット目的での使用は、承認された効能効果の範囲外(適応外使用)であり、 保険適用外の自由診療(自費治療)となります。費用は提携クリニックの公式情報をご確認ください。
  3. 主な副作用:消化器症状(悪心・嘔吐・下痢・便秘・食欲減退・腹痛)、低血糖、 急性膵炎、胆嚢炎・胆石症、急性腎障害、過敏症、注射部位反応など。詳細は処方医にご確認ください。
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本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、医師による診断・治療の代替を目的とするものではありません。 治療を検討される方は必ず医療機関で診察を受けてください。

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