マンジャロとウゴービの違い|成分・承認適応・効果・費用を徹底比較
著者:Medvice編集部 / 監修:おうちでクリニック

マンジャロとウゴービはどちらも注目の肥満・糖尿病治療薬ですが、成分・承認状況・作用機序が異なります。違いを正確に理解して治療選択の参考にしてください。
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)とウゴービ(一般名:セマグルチド)は、どちらも肥満・糖尿病治療の分野で注目される週1回注射製剤です。しかし、成分・作用機序・国内の承認適応・臨床試験データはそれぞれ異なります。本記事では、両薬の違いを添付文書・学術論文のデータをもとに客観的に整理します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。治療の選択は必ず医師にご相談ください。
- マンジャロとウゴービの成分・分類の違い
- それぞれの作用機序(デュアルアゴニストvsシングルアゴニスト)
- 国内承認状況と保険適用の違い
- 主要臨床試験(SURMOUNT-1・STEP1)での体重減少データ
- 副作用プロフィールの比較
- 費用の目安(自由診療)
- 患者タイプ別の考え方
マンジャロとウゴービの基本情報比較
まず両薬の基本プロフィールを整理します。
| マンジャロ(Mounjaro) | ウゴービ(Wegovy) | |
|---|---|---|
| 一般名 | チルゼパチド(Tirzepatide) | セマグルチド(Semaglutide) |
| 薬物クラス | GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニスト | GLP-1受容体アゴニスト |
| 製造販売元 | イーライリリー | ノボノルディスク |
| 投与方法 | 週1回皮下注射(オートインジェクター) | 週1回皮下注射(オートインジェクター) |
| 用量設定 | 2.5mg→5mg→7.5mg→10mg→12.5mg→15mg | 0.25mg→0.5mg→1mg→1.7mg→2.4mg |
| 最大用量 | 15mg/週 | 2.4mg/週 |
両薬とも週1回の皮下注射で、少量から徐々に増量していく漸増プロトコルが採用されています。投与方法は類似していますが、成分・作用点は大きく異なります。
作用機序の違い(デュアルvsシングルアゴニスト)
最も本質的な違いは「どの受容体に働くか」です。
ウゴービ(セマグルチド):GLP-1受容体アゴニスト
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は食後に消化管から分泌されるホルモンです。セマグルチドはこの受容体に結合し、①膵β細胞からのインスリン分泌促進、②グルカゴン抑制、③胃内容排出遅延、④視床下部への食欲抑制シグナル送達、という経路で血糖降下・食欲抑制を発揮します。
マンジャロ(チルゼパチド):GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニスト
チルゼパチドはGLP-1受容体に加え、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体にも作用します。GIPは脂肪組織での脂肪分解・蓄積にも関与するホルモンであり、GIP受容体刺激が加わることで、GLP-1単独よりも多面的な代謝改善効果が期待されています。デュアルアゴニズムがより大きな体重減少効果に寄与している可能性が臨床試験結果からも示唆されています。
※いずれの薬も、作用の個人差は大きく、上記はメカニズムの説明であり効果を保証するものではありません。
国内での承認状況と保険適用の違い
日本国内の承認状況は大きく異なります。治療選択に直結する重要な点です。
| マンジャロ | ウゴービ | |
|---|---|---|
| 国内承認適応 | 2型糖尿病(血糖コントロール) | 肥満症(高血圧・脂質異常症・2型糖尿病を伴うBMI≧27、またはBMI≧35) |
| 保険適用(2025年時点) | 2型糖尿病として保険適用あり | 肥満症として保険適用あり(専門医による管理が条件) |
| 肥満症への国内承認 | なし(2025年時点) | あり(2023年承認) |
| 自由診療での使用 | クリニックにより提供(適応外使用) | クリニックにより提供 |
マンジャロは2型糖尿病の血糖コントロール薬として国内承認されており、肥満症適応は2025年時点では国内未承認です。ウゴービは肥満症に対して国内承認済みです。保険診療での使用条件は医師・医療機関にご確認ください。
関連記事:マンジャロとは?成分・効果・使い方を解説
体重減少効果の比較(SURMOUNT-1 vs STEP1試験)
それぞれの薬の体重減少効果は、大規模な第3相臨床試験で評価されています。ただし、これらは厳格な試験環境下での結果であり、実際の効果には個人差があります。以下のデータは効果を保証するものではありません。
| 試験名 | 対象薬 | 対象 | 期間 | 最大用量群での体重変化率(プラセボ比) |
|---|---|---|---|---|
| SURMOUNT-1 | チルゼパチド(マンジャロ) | 2型糖尿病なしの肥満/過体重成人 | 72週 | 15mg群:約−20.9%(プラセボ:約−3.1%) |
| STEP1 | セマグルチド(ウゴービ) | 2型糖尿病なしの肥満/過体重成人 | 68週 | 2.4mg群:約−14.9%(プラセボ:約−2.4%) |
重要な注意事項:上記は各試験の公表データに基づく参考値です。試験デザイン・対象集団・食事・運動介入の条件が異なるため、直接の比較には限界があります。また、実際の臨床使用での効果は試験条件とは異なり、個人差が大きいことをご理解ください。体重減少の数値は特定の効果を保証するものではありません。
関連記事:マンジャロとGLP-1製剤の比較・マンジャロとオゼンピックの違い
副作用プロフィールの比較
両薬とも消化器系の副作用が最も頻度が高く、漸増プロトコルにより軽減を図ります。
| 副作用 | マンジャロ(チルゼパチド)での主な頻度 | ウゴービ(セマグルチド)での主な頻度 |
|---|---|---|
| 悪心(吐き気) | 17〜22%程度(用量依存) | 44%程度(STEP1より) |
| 嘔吐 | 6〜10%程度 | 24%程度 |
| 下痢 | 13〜20%程度 | 30%程度 |
| 便秘 | 6〜12%程度 | 24%程度 |
| 注射部位反応 | 3〜7%程度 | 2〜5%程度 |
| 低血糖(単独使用時) | リスク低い | リスク低い |
※上記数値は各添付文書・試験報告書に基づく概算値です。試験や集団により数値は異なります。
両薬とも、特に投与初期・増量時に消化器症状が出やすい傾向があります。重大な副作用として、膵炎・胆嚢疾患・甲状腺C細胞腫瘍(動物実験での知見、ヒトでのリスクは不明)などが添付文書に記載されています。これらの副作用リスクについては医師から十分な説明を受けたうえで使用することが重要です。
費用の目安比較(自由診療)
2025年現在、自由診療クリニックでの概算費用の目安は以下の通りです。費用はクリニック・用量・地域によって大きく異なります。
| マンジャロ(自由診療) | ウゴービ(自由診療) | |
|---|---|---|
| 初期用量(月額概算) | 約15,000〜25,000円程度 | 約30,000〜45,000円程度 |
| 最大用量(月額概算) | 約40,000〜70,000円程度 | 約50,000〜80,000円程度 |
| 保険診療(適応がある場合) | 2型糖尿病で保険適用 | 肥満症で保険適用 |
※上記はあくまで参考目安であり、実際の費用はクリニックにより異なります。保険適用条件を満たす場合は、保険診療を医師にご相談ください。
関連記事:マンジャロの費用・月額目安を解説
どちらが向いているか(患者タイプ別の考え方)
重要:薬の選択は必ず担当医師が診断・患者背景を踏まえて判断します。以下は一般的な考え方の整理であり、特定の薬を推奨するものではありません。
ウゴービが選択肢として挙がりやすいケース(あくまで一般論)
- 肥満症として国内承認された薬を希望する場合
- GLP-1製剤の使用実績・エビデンスを重視する場合
- 保険診療での肥満症管理を希望する場合(適応基準あり)
マンジャロが選択肢として挙がりやすいケース(あくまで一般論)
- 2型糖尿病の血糖コントロールが主な治療目標である場合
- デュアルアゴニストのメカニズムに興味があり医師と相談したい場合
- 自由診療で費用を抑えたい場合(クリニック次第)
実際の選択にあたっては、既往歴・合併症・使用中の薬・体質・生活習慣など多くの要素を医師が総合的に評価します。インターネットの情報だけで判断せず、必ず医師に相談してください。
よくある質問
マンジャロとウゴービは同時に使えますか?
両薬を同時に使用することは、安全性・有効性のエビデンスがなく、通常は行われません。どちらか一方を選択することが一般的です。詳細は医師にご相談ください。
どちらの方が痩せやすいですか?
臨床試験データではチルゼパチド(マンジャロ)の体重減少率がより大きい結果が示されています(SURMOUNT-1とSTEP1の比較)。ただし、試験デザインが異なるため単純比較には限界があり、個人差も非常に大きいです。「どちらが痩せやすい」と断言することはできません。
保険で使えるのはどちらですか?
2025年時点では、マンジャロは2型糖尿病の治療薬として保険適用があります。ウゴービは一定の基準を満たす肥満症(BMI要件・合併症要件あり)に対して保険適用があります。保険適用の詳細な条件は医療機関・医師にご確認ください。
副作用が心配ですが、どちらが少ないですか?
両薬とも消化器系の副作用(悪心・下痢・便秘など)が主な副作用です。試験データ上はウゴービの方が悪心・嘔吐の頻度がやや高い傾向が示されていますが、個人差が大きく、一概にどちらが少ないとは言えません。副作用が気になる場合は、漸増プロトコルを守ること、および症状出現時に速やかに医師に報告することが重要です。
まとめ
マンジャロ(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)の主な違いをまとめると以下の通りです。
- 成分・作用機序:マンジャロはGIP/GLP-1デュアルアゴニスト、ウゴービはGLP-1シングルアゴニスト
- 国内承認:マンジャロは2型糖尿病のみ、ウゴービは肥満症に承認済み
- 臨床試験データ:チルゼパチドはSURMOUNT-1で約−20.9%、セマグルチドはSTEP1で約−14.9%の体重減少率(個人差あり・保証ではない)
- 副作用:両薬とも消化器症状が主体
- 費用:自由診療での目安はクリニックにより大きく異なる
どちらの薬が適切かは、患者さんの病態・合併症・生活環境によって異なります。必ず医師に相談のうえ、適切な治療方針を決定してください。
おうちでクリニックでは、マンジャロ・ウゴービの処方についてオンラインで医師に相談できます。現在の状態や目標をお聞きしたうえで、医師が適切な治療法をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
参考文献・情報源
- マンジャロ皮下注 添付文書 — 日本イーライリリー株式会社
- PMDA 公開審査報告書(マンジャロ) — 医薬品医療機器総合機構
- 医療広告ガイドライン — 厚生労働省
監修医師
おうちでクリニック 監修医師
医師 / おうちでクリニック
- 医師(日本国厚生労働省)
提携医療機関「おうちでクリニック」の医師がマンジャロおよびGLP-1関連記事を監修しています。詳細プロフィールは順次公開予定です。
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マンジャロの処方は医師の診察が必要です。提携医療機関「おうちでクリニック」のオンライン診療で相談・処方を受けられます。
公式サイトで詳細を見る →※マンジャロ皮下注は2型糖尿病治療薬として国内承認された医薬品です。
肥満治療目的での使用は適応外(自由診療)に該当します。
適応外使用に関する重要なお知らせ
- マンジャロの承認状況:マンジャロ皮下注(一般名:チルゼパチド/製造販売:日本イーライリリー株式会社)は、「2型糖尿病」を効能・効果として日本国内で承認された医療用医薬品です。
- 適応外使用について:肥満症やダイエット目的での使用は、承認された効能効果の範囲外(適応外使用)であり、 保険適用外の自由診療(自費治療)となります。費用は提携クリニックの公式情報をご確認ください。
- 主な副作用:消化器症状(悪心・嘔吐・下痢・便秘・食欲減退・腹痛)、低血糖、 急性膵炎、胆嚢炎・胆石症、急性腎障害、過敏症、注射部位反応など。詳細は処方医にご確認ください。
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本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、医師による診断・治療の代替を目的とするものではありません。 治療を検討される方は必ず医療機関で診察を受けてください。