マンジャロ(チルゼパチド)とリベルサス(セマグルチド経口薬)は、どちらも話題のGLP-1系薬剤ですが、投与方法・成分・承認適応・費用に大きな違いがあります。本記事では、両者を添付文書・臨床試験データをもとに比較します。
この記事でわかること:
- マンジャロとリベルサスの成分・投与方法の違い
- 国内での承認状況と保険適用の違い
- 血糖コントロール効果・体重への影響の比較
- 副作用プロフィールの比較
- 費用の目安と使い分けの考え方
基本情報の比較

| 項目 | マンジャロ | リベルサス |
|---|---|---|
| 一般名 | チルゼパチド | セマグルチド |
| 薬剤分類 | GIP/GLP-1デュアルアゴニスト | GLP-1受容体作動薬 |
| 投与方法 | 週1回 皮下注射 | 1日1回 経口(飲み薬) |
| 用量 | 2.5〜15mg/週 | 3〜14mg/日 |
| 国内承認(糖尿病) | ✅ 2型糖尿病 | ✅ 2型糖尿病 |
| 国内承認(肥満症) | ❌(適応外) | ❌(適応外) |
| 製造販売 | 日本イーライリリー | ノボノルディスクファーマ |
最大の違い:注射 vs 経口

マンジャロとリベルサスで最も大きな違いは投与方法です。
マンジャロ(週1回皮下注射)
- 週1回の注射で済む → 毎日の服薬管理が不要
- 注射に抵抗がある方には心理的ハードルがある
- 専用のオートインジェクター(針が見えない設計)で投与
- 冷蔵保管(2〜8℃)が必要
リベルサス(1日1回経口)
- 注射不要 → 針が苦手な方に向いている
- 毎日服薬が必要(飲み忘れリスクあり)
- 服薬条件あり:起床後すぐに水(120mL以下)で服用し、30分は飲食・他薬を避ける必要がある
- 食事・他薬の影響を受けやすい(バイオアベイラビリティが低い)
「注射が怖い」という理由でリベルサスを選ぶ方も多いですが、服薬条件が厳しいため生活習慣によっては逆に管理が難しい場合があります。
血糖コントロール効果の比較
いずれも2型糖尿病の血糖コントロールに使用されますが、臨床試験での比較データが存在します。
| 試験 | 薬剤・用量 | HbA1c低下(平均) | 体重変化(平均) |
|---|---|---|---|
| SURPASS-2 | チルゼパチド15mg(週1回注射) | 約-2.58% | 約-12.4kg |
| PIONEER 1 | セマグルチド14mg(経口) | 約-1.4% | 約-4.2kg |
※試験対象・背景療法が異なるため直接比較には限界があります。個人差があり、同様の効果を保証するものではありません。
注射製剤(オゼンピック週1回)との比較では、PIONEER 4試験においてセマグルチド経口14mgとオゼンピック1mg注射のHbA1c低下は同程度とされています。一方、チルゼパチドはSURPASS-2試験でオゼンピック1mgを対照とした試験において統計的に有意な差が報告されています。
体重への影響
2型糖尿病患者を対象とした臨床試験での体重変化を比較すると:
- チルゼパチド(マンジャロ)15mg:約-12.4kg(SURPASS-2試験)
- セマグルチド経口14mg(リベルサス):約-4.2kg(PIONEER 1試験)
なお、肥満症治療を対象とした試験では差がさらに大きくなる傾向が報告されています(SURMOUNT-1 vs STEP1)。ただし、これらは薬剤・試験デザインが異なるため単純比較には注意が必要です。
副作用プロフィールの比較
| 副作用 | マンジャロ | リベルサス |
|---|---|---|
| 悪心(吐き気) | 多い(特に増量時) | 多い(増量時) |
| 下痢 | 多い | 多い |
| 便秘 | 報告あり | 報告あり |
| 注射部位反応 | あり(軽度) | なし(経口) |
| 急性膵炎(重大) | 稀に報告 | 稀に報告 |
| 低血糖(単独使用) | リスク低い | リスク低い |
消化器症状は両薬ともGLP-1作用に関連するため、類似した副作用プロフィールを持ちます。リベルサスは経口のため注射部位反応はない一方、服薬条件の管理が必要です。
費用の目安(自由診療・2026年現在)
| 薬剤 | 月額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| マンジャロ(自由診療) | 約15,000〜50,000円 | 用量・クリニックにより異なる |
| リベルサス(自由診療) | 約10,000〜30,000円 | 用量・クリニックにより異なる |
いずれも公式情報で必ずご確認ください。詳しくはマンジャロの1ヶ月の費用をご覧ください。
どちらが向いているか(考え方の整理)
どちらの薬剤が適切かは、患者ごとの病態・生活習慣・希望・併用薬を医師が総合的に判断します。以下はあくまで参考情報です。
| 患者の状況 | 参考となる選択肢 |
|---|---|
| 注射が苦手・抵抗がある | リベルサス(経口)を検討 |
| 毎日の服薬管理が難しい | 週1回のマンジャロが管理しやすい |
| 朝の服薬条件を守れる | リベルサスも選択肢 |
| 体重コントロールを重視 | 臨床試験データではマンジャロが大きな変化を報告 |
最終的な判断は医師に相談してください。
よくある質問
Q. リベルサスはマンジャロより弱い薬ですか?
単純にそう言い切ることはできません。成分・作用機序・用量が異なります。ただし、臨床試験での体重・血糖コントロール効果の平均値はチルゼパチドがより大きい傾向が報告されています。
Q. リベルサスからマンジャロへ切り替えることはできますか?
可能ですが、必ず医師の指示に従ってください。切り替えのタイミングや用量の調整については診察で相談してください。
Q. 朝に注射が難しい場合、マンジャロは夜でも打てますか?
マンジャロは食事に関係なく週1回同じ曜日に投与します。朝・昼・夜いずれの時間帯でも可能ですが、毎週同じ時間帯が推奨されます。詳細は処方医にご確認ください。
Q. どちらが保険適用になりますか?
2型糖尿病の治療として処方される場合、どちらも保険適用です。肥満症・ダイエット目的での処方はどちらも適応外使用(自由診療)となります。
まとめ
マンジャロ(チルゼパチド・週1回注射)とリベルサス(セマグルチド・毎日経口)は、いずれも2型糖尿病治療薬として承認されたGLP-1系薬剤ですが、成分・投与方法・臨床データでの効果に違いがあります。どちらが適切かは個人の状況によって異なるため、必ず医師に相談してください。
マンジャロの詳しい情報はマンジャロとは?作用機序と承認状況をご覧ください。当サイトの提携医療機関「おうちでクリニック」では、オンライン診療でのご相談が可能です。
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。
参考
- リベルサス錠 添付文書(ノボノルディスクファーマ株式会社)
- マンジャロ皮下注 添付文書(日本イーライリリー株式会社)
- PIONEER 1試験 (Aroda VR et al., Diabetes Care, 2019)
- SURPASS-2試験 (Frías JP et al., N Engl J Med, 2021)